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2016/07/28 (Thu) 22:07
三河安嬢2 ~エロエロ大妖怪・濱田事業部長襲来~  (42)

亜希子は呆然とした表情で、一連の出来事を眺めていたが、ようやく我に返った。
(た、助かった・・の・・?)
急転直下とも言える事態の劇的収束が、彼女はいまだに信じられなかった。
つい先ほどまでの絶体絶命がまるで嘘のようだ。
全く昼間北浜の予言したとおりになってしまった。
お尻とオッパイには甚大なる被害を被ったが、辛うじて最後の一線だけは守られた。
そう思いながら、亜希子は、事業部長の首根っこを掴みながら引き摺っていくダンシングフィッソン族の後姿を改めて見つめた。
・ ・・・・
「?」
なにか違和感を感じる。
・ ・・・・・
この違和感の正体は何なのだろうか?
目を凝らす亜希子。
・ ・・・・・・・
そうだ、よくよく見るとテレビに出てくるダンシングフィッソン族とは体形がまるで違うではないか!さっきは騒動の真っ只中で気付かなかったが、目の前の男はテレビで見るような筋肉質では決してない。もっと、何と言うか・・
逞しいというよりは哀愁漂う背中、デカい頭に、短足ガニ股、この特徴的な昭和体形は・・、
忘れもしない、亜希子は毎日目にしている。
そう、いつも職場で一緒にいる“あの男”そのものだ!
「・・・北・・浜さん・・?・・・」
亜希子は去って行く狩人の後姿をいつまでも見送っていた。

2016/07/27 (Wed) 21:50
三河安嬢2 ~エロエロ大妖怪・濱田事業部長襲来~  (41)

千鳥足のサラリーマンなんぞ、草原最強の狩人の敵ではない。
残されたのは濱田事業部長一人である。
「全く!仕事ばかりか宴席でも役に立たない馬鹿者どもが!来いっ!柔道初段の(←あんま大した事ない)このワシが相手をしてやるっ」
狩人と対峙する事業部長。
「どっからでも、かかってこんかい~~」
彼としては格好良く啖呵を切ったつもりだろうが、新喜劇にしか聞こえなかった。
そしてそんな濱田の事などまるで眼中に無いかのように、狩人は表情ひとつ変える事なく再び踊りを舞い始める。
「ダンソン!フィーザキー トゥーザテーサザ コンサ!」
事業部長本人は気付いていなかったろうが、いつの間にか狩人につられて、一緒に踊りだしていた。そして全く無抵抗のまま呆気なく捕獲されてしまう。
「ニーブラコンサ!ニーブラーッ!!」
メキメキメキっ
濱田は鈍い音と共に白目を剥いて昇天した。
「事業部長ニーブラーーっ!」

2016/07/26 (Tue) 23:23
三河安嬢2 ~エロエロ大妖怪・濱田事業部長襲来~  (40)

急に騒然となった周囲の怒声に、亜希子は再び目を開けた。
「???」
襖の開いた向こう側には見た事も無い男が立っていた。
いや、正確にはなんとなくだが、どこかで見た記憶があるような・・。
男は浅黒い肌をしており、頭には長めのバンダナ、顔には化粧、というかペイントを施していた。着ているものは薄手の動物の毛皮の様で、どことなく異国の狩猟民族を思わせるような出で立ちであった。
お楽しみの所に急に邪魔が入った濱田は明らかに苛立ちを隠せない様子で、突如現れた訪問者にこう言い放った。
「なんだ貴様は!!ワシが折角、女子社員のドスケベボディをレロレロ堪能しているところを邪魔しおって!おい渡辺、谷村、このろうぜき者をとっととつまみ出せ!!」
渡辺統括部長および谷村総務課長としては、あまり乗り気でなかったのだが、事業部長命令とあらば仕方がない。足元もふらふらとおぼつかないが、二人してじりじりと謎の侵入者の方ににじり寄っていく。
するといままで沈黙していたこの男、突然激しいアクションと共に歌い踊りだした!
「ダンソン! フィーザキー! トゥーザテーサーザコンサ!!」
ああっ、思い出した!この男、テレビで見たことがある!
ダンシングフィッソン族だ!動物を素手で狩ってしまう草原最強の狩人ダンシングフィッソン族!なんと北浜の妖怪ウォッチはジバニャンでもなくコマサンでもなくダンシングフィッソン族を呼び出してしまったのだ!
渡辺と谷村は突然の激しいアクションに虚を突かれ、
戦意を全く喪失してしまった。ダンシングフィッソン族はその隙を見逃さず、なんと二人の首を同時に両腕でヘッドロックした。
「ニーブラーッ!!」
渡辺と谷村が声も上げずに崩れ落ちた。
「課長ニーブラ!部長ニーブラ!」

2016/07/25 (Mon) 21:04
三河安嬢2 ~エロエロ大妖怪・濱田事業部長襲来~  (39)

ふと後ろを振り返ると、濱田が指をこきこきといやらしく動かしながら、こちらに近づいて来ていた。
「ん、ん、鈴木くん!どうしちゃったのかな?チビッ子のオモチャなんかでおイタして!早く観念してお乳をこちらに差し出しなさい!その大きなミルクタンクの中身を一滴残らず吸い尽くしてあげるからねええええ」
「い、嫌あ・・」
亜希子は両手で乳房を覆いながら恐怖で顔を引き攣らせていた。今度こそ本当に終わった。
あと10秒保つのか20秒保つのか知らないが、自分は間違いなくこの男の餌にされるのだ。

亜希子が完全に観念して目を閉じたその時である、宴会場の入り口の襖がバタンという大きな音を立てて突然開いた!

「なんだ!おまえはっ!!」

2016/07/24 (Sun) 21:19
三河安嬢2 ~エロエロ大妖怪・濱田事業部長襲来~  (38)

それは北浜の声だった。
彼女の耳にはいるはずの無い北浜の声がはっきりと聞こえたのだ。
それはあたかもデス・スター攻撃に向かうルーク・スカイウォーカーに語りかけるオビワンの声の様だった。
「そうだ、妖怪ウォッチ!」
もう迷っている余裕などは無かった。北浜は亜希子から小馬鹿にされながらも、絶対に役に立つからと、妖怪ウォッチを渡してくれた。きっと何かしらの根拠があるのだ。
亜希子は残された最後の力で濱田を振り払うと、這いつくばりながら鞄の置いてある場所まで辿り着き、ウォッチを取り出した。何かは分からないがメダルはセットされており、あとは電源のスイッチを入れるだけだった。
「お願い!」
亜希子がスイッチを入れると、まるで待っていたかのように即座にウォッチが起動した。
『イサマシ!召喚』
およそ酒の席には場違いな、安っぽいLED光と電子音があたりに響き渡る。
一体、何事が起こったのかと呆気にとられる周囲の面々。
・・・・・・
・・・・・
・・
何も・・・起こらない・・・・。
・・・
当たり前か!?
・ ・・・・
・・・・・

如何に追いつめられていたとはいえ、ほんの一瞬でもこんなモノにすがってしまった自分の事を、亜希子はつくづく大馬鹿者だと思った。

2016/07/23 (Sat) 21:29
さて・・

これでエロシーンは終了です。
あとは消化試合ですのでサクッと流してしまいます。
1週間以内に終わらせるので、半年以上お付き合いいただいた方は本当にありがとうございました。
てゆうか、サビの部分は本当にくだらないので、みんなびっくりするんだろうな。

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