急に騒然となった周囲の怒声に、亜希子は再び目を開けた。
「???」
襖の開いた向こう側には見た事も無い男が立っていた。
いや、正確にはなんとなくだが、どこかで見た記憶があるような・・。
男は浅黒い肌をしており、頭には長めのバンダナ、顔には化粧、というかペイントを施していた。着ているものは薄手の動物の毛皮の様で、どことなく異国の狩猟民族を思わせるような出で立ちであった。
お楽しみの所に急に邪魔が入った濱田は明らかに苛立ちを隠せない様子で、突如現れた訪問者にこう言い放った。
「なんだ貴様は!!ワシが折角、女子社員のドスケベボディをレロレロ堪能しているところを邪魔しおって!おい渡辺、谷村、このろうぜき者をとっととつまみ出せ!!」
渡辺統括部長および谷村総務課長としては、あまり乗り気でなかったのだが、事業部長命令とあらば仕方がない。足元もふらふらとおぼつかないが、二人してじりじりと謎の侵入者の方ににじり寄っていく。
するといままで沈黙していたこの男、突然激しいアクションと共に歌い踊りだした!
「ダンソン! フィーザキー! トゥーザテーサーザコンサ!!」
ああっ、思い出した!この男、テレビで見たことがある!
ダンシングフィッソン族だ!動物を素手で狩ってしまう草原最強の狩人ダンシングフィッソン族!なんと北浜の妖怪ウォッチはジバニャンでもなくコマサンでもなくダンシングフィッソン族を呼び出してしまったのだ!
渡辺と谷村は突然の激しいアクションに虚を突かれ、
戦意を全く喪失してしまった。ダンシングフィッソン族はその隙を見逃さず、なんと二人の首を同時に両腕でヘッドロックした。
「ニーブラーッ!!」
渡辺と谷村が声も上げずに崩れ落ちた。
「課長ニーブラ!部長ニーブラ!」
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