俺達は一瞬で魔神のもとへ跳躍移動した。
マーリフの呪文は極めて正確に作用し、我々はパルスィートと合わせて丁度4方向から魔神を取り囲むような配置で着地した。
突然の出来事に魔神は一旦動くのを停止した、
そして何事が起ったのか確かめるかのようにゆっくりと周囲を見渡した・・
で、でかい・・体長だけで人間の4~5倍近くありそうだ・・
俺達がこれまで戦って倒してきた魔物たちと比較しても桁違いに大きい・・
か、勝てるのか?おれたち・・
「あー様!先輩!サムスンさん!」
その時、パルスィートの声がした。彼女は尻もちをついた状態で魔神から後ずさっていたが、俺達の姿を見て多少は安心したのかゆっくりと立ち上がった。
そうだ、勝てるのか?とか言ってる場合じゃねえ。
美少女が見てる前で無様な姿は晒せないぜ。
「パルスィート!これを着て!」
すかさずマーリフが叫んだ、奴はこの束の間の膠着状態を見逃さなかった。持って来ていた装備品袋からパルスィート用のロッドとジャケットを取り出すと、敵の隙を見てすかさず彼女のいる方へ放り投げてやったのだ。
「ああっ先輩!ありがとうございますっ!!」
彼女の顔がパアッと明るくなった。
むしろ両手を使う装備を・・・
聡明な君はすぐに理解する事になるだろう
コメントの投稿