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2019/04/14 (Sun) 09:36
ゆうしゃのぼうけん ~生贄の村 恐怖の大蛸魔神~(63)

生贄の祭壇に灯る松明の明かりが、それで全部消えてしまい、唯一の光源が夜空に青白く輝く満月のみとなってしまった。
「おい、ちょっとアレ!」
続いて、祠のすぐ側まで満ちていた潮が一気に引くと、沖合で海面が大きく盛り上がり、それは黒い大きな塊となって再び祠に向かって押し寄せた。
「ま・・さ・・か・・」
黒い塊は徐々にその姿を露わにし、波間からは大蛇のような触手が1本、2本・・俺達からは無数に蠢いているようにも見えた。
「魔神だっ!!!」
そう、それはまさしく大蛸の化け物だった。
遂に姿を現した大蛸魔神は瞬く間に岸に上陸すると、まるでハナッから陸上の生き物であるかのように8本の触手を使って器用に地面を這いずり回り、俺達の予想を遥かに上回るスピードで生贄であるパルスィートが横たわる祭壇へと迫った!
「な、早いっ!」
「きゃああああああああああああああああああああああああ!!!」
月明りの中、彼女の悲鳴が響き渡った。
暗くて見辛かったが、転げ落ちるようにして祭壇から飛び退いたパルスィートを、魔神がじわじわと追い詰めていく様子がすぐに分かった。
「ち、後手に回った!勇者、サムスン、行きます!ジャンプします」


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