俺達がそのまま岩陰で身を潜めていると、間もなくしてマーリフも現れた。
奴も俺同様、先ずはパルの所に駆けつけようとしていたのが、どうせ拒絶されることは分かっていたので、
「おい、マーリフ!」と早々に俺は奴を呼び止めた。
「勇者!それにサムスンも・・」
こちらに向かってきたマーリフは見てて気の毒になるくらい大量の荷物を抱えていた。
「・・お前、パルスィートのロッドも持って来たんだ」
「ええ、彼女にも戦いに加わってもらわないと、これがあるのと無いのとでは呪文の成功率が格段に違いますから・・ そんな事よりサムスン!あなた一体何を考えてんですか!?鎧どころか剣すら持たずに・・どうやって戦うつもりだったんですか!?私が両方持ってきましたからとっととここで装備するんです!全くこれだけの物を運んで来るのにどれだけホネが折れたか・・」
「分かった分かった、お前には感謝してるよ、だからあんまりブツブツ小言を言うな!」
サムスンは少々悪態はついたものの、奴なりに恩義は感じているのか、大人しく装備を付け始めた。大男の着替えはあんまり見ていて気持ちのいいものでは無かったが。
敵地で装備忘れる奴なぞおらんぞ!!
ヤバいかもしれないっす
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