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2018/03/11 (Sun) 00:37
ゆうしゃのぼうけん ~生贄の村 恐怖の大蛸魔神~(9)

俺達はその男に案内されて、村の長老の屋敷に通されることとなった。
そして、そこで村に伝わるおぞましいしきたりを聞かされることとなる。

「勇者殿とそのお仲間の方々、ようこそワタミの村へ。
このような辺ピな所へよくぞおいで下さった。どうか話を聞いて下され」
(・・ワタミだって。知ってる?)
(知りません。私だって役人じゃありませんから、王国中にある街や村の名前をいちいち覚えてません!増してやこんな離れ小島にある村なんぞ・・)
マーリフはさっきから俺が、ヤツの知らない事ばかり聞くものだから、ヘソを曲げてしまってるらしかった。ちぇ、ちょっと頭のいい奴って自分が知らない事聞かれると怒るんだよな、すげえ面倒なんだけど。
「・・勇者殿、よろしいですかな?」
「あ、いえいえどうぞお構いなく」
長老の話によると、我々が最初に投げ出された薄気味悪い場所は、どうやら「大蛸魔神」と呼ばれる魔物を祀っている祠であるらしかった。
なんでも5年に一度、若い娘を生贄として差し出さなければ、魔神が暴れて村が滅ぼされるという昔からの言い伝えがあり、あろうことか明日が5年目にあたるその日なのだそうだ。
なるほどね。村全体を覆う、重っ苦しい雰囲気もこれで納得がいく。
(人食いの化け物ですって。どうりで禍々しい気に満ち溢れていた訳ですよ)
マーリフが耳元で囁いた。
「なんだか随分と鼻持ちならないヤツなんだが、なんだ、そのぶっちゃけ強いのか?その大蛸魔神とかいう奴は?」
いつもは無口なサムスンだが、少し興味を示したのか、珍しく長老に最初に質問した。

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