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2018/03/03 (Sat) 21:49
ゆうしゃのぼうけん ~生贄の村 恐怖の大蛸魔神~(8)

俺たちは少々強引かとは思ったが、追いかけて話を聞き出すことにした。
二手に分かれた我々は、一方が真後ろから、もう一方が村人の退路を断つように先回りし、
丁度前後から村人を挟み撃ちにする形を取った。
不意を突かれて追い詰められた村人は敵意も露わに、
「あんた達は何者だ!?こんな僻地の離れ小島に何しに来ただ!」
と、俺達を激しく罵倒した。
俺は相手をなるべく刺激しないように極力穏やかな口調で話し掛けた。
「あの~、すみません。我々決して怪しいモンじゃないです。大魔王討伐の為に旅をしている者です。この村の只ならぬ雰囲気、ひょっとして魔王の軍団と何か関係があるのでは?お話しいただければ何かお役に立てるかもしれません」
「大魔王討伐だって?」
村人の目に驚きの色が宿る。
「ええ、そうです」
「ひょっとしてあんた方、かつて魔王の軍団の進行を食い止めたという、噂の勇者・、あ、あ~なんてったけ?」
「・・・『あああーあ』です」
勇者の名を聞き安心したのか、さっきまで怯えていた村人は急に堰を切ったようにしゃべりだした。
「生贄に、村の娘っ子が生贄になっちまうだよ~!!」
「生贄?」
あまりにも意外なその答えに、我々は思わず顔を見合わせるのだった。

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